第4回北海道地域福祉学会優秀実践賞 授賞団体

 このたび第4回北海道地域福祉学会優秀実践賞の団体が決定しましたのでお知らせします。本事業は、北海道内の地域福祉に関する優秀な実践を顕彰し、地域福祉にかかわる優れた実践を掘り起こすとともに、北海道の地域福祉の一層の発展と向上に寄与することを目的に実施するものです。
 以下に受賞団体の活動概要と推薦内容のまとめを紹介致します。次年度以降も多くの推薦が寄せられることを期待しています。

                     2021年9月30日
北海道地域福祉学会 会長

光生舎ゆいま~る・もみじ台(特別養護老人ホーム)

法人設立    平成27年7月(デイサービス平成24年12月)
施設長     渡邉 靖洋 氏
住 所     北海道札幌市厚別区もみじ台南3丁目4番地
ホームページ  https://www.koseisha.or.jp/institution_info_s/

1.推薦内容

 推薦者は、「光生舎ゆいま~る・もみじ台(特別養護老人ホーム)」の地域福祉活動を貴学会「地域福祉優秀実践賞」に推薦する。推薦理由は、以下のとおりである。
【先駆性】は、主に3つである。第1に、北海道札幌市内で唯一、高齢化率が高い厚別区もみじ台地区において、閉校した小学校の校舎を活用し、特別養護老人ホームの機能のみならず、地域内における既存資源を活用した地域交流、地域開放スペース、井戸端会議等を展開し“地域の活動拠点”としての役割を担っている点である。第2に、北海道初となる特養と就労継続支援事業A型の融合と、特養と就労継続支援事業B型の連携の取り組みである。どちらの事業も、働く側と利用者の双方にって有益な関係が構築されるような取り組みとなっている。第3に、近年の社会福祉法人制度改革における公益的活動の推進のひとつとして、「ゆいま~る地域貢献推進チーム」が創設された。その「ゆいま~る地域貢献推進チーム」は、地域にアウトリーチすることで、地域ニーズを独自に捉え、そのニーズに基づく活動を行っている点が先駆的であった。
【独創性】は、既存資源の活用や特養と就労継続支援の融合・連携、「ゆいま~る地域貢献推進チーム」等の取り組みは、厚別区もみじ台が抱える高齢化等の地域課題を踏まえた取り組みとなっている。「ゆいまーるの地域貢献 雪かき隊」は、対象団体からのアウトリーチを通じての活動となっており、新型コロナウィルス蔓延下ではあったものの、昨年度に既に実施実績を要している。また対象団体は、北星学園大学『コミュニティワーク実習』において、もみじ台での取り組み等の講演、インタビュー調査等への協力しており、長年にわたり学術的交流と福祉人材の育成に積極的にかかわってきた。そのため対象団体は、地域活動と学術的交流という点で重要なハブ的機能を有しており、独創的である。
【主体性】は、地域での活動拠点の役割、地域貢献推進チームの活動、地域へのアウトリーチの重視等において主体的な取り組みということができる。この根底にはまず、北海道光生舎・創設者の高江常男氏の理念や想いを引き継いでいることがあげられる。その理念は、生きること、働くこと、生活者であること、人が人たる全人的な価値を得ていくことである。そして現段階においてそれがゆいまーるでは、『わたしたちは、すべての人が生きがいを感じられる 人生を実現するために存在する』という共通理念として具現化している。さらにこのこれらの理念が対象団体の主体的の根底にみられ、優れた実践につながっている。
【発展性】は、これまでみてきた地域実践のうち、特に特養での就労継続支援A型B型の取り組みは北海道初の取り組みであると同時に、発展性が期待できる。「ゆいまーる地域貢献推進チーム」の活動は、新型コロナウィルス蔓延下においても実施され、地域食堂や交流のあり方等、既に活動が発展するアイデアやその準備が進められている。今後は、「ゆいま~るプレ地域食堂」や地域の方々を対象とした避難訓練(施設自体が避難所指定)等も検討している。社会福祉法人の地域における公益的な取り組みとしての発展性と共に先駆性も有している。

 以上のように「光生舎ゆいま~る・もみじ台」は、先駆性、独創性、主体性、発展性において非常に優れた取り組みがなされており、貴学会における「地域福祉優秀実践賞」に値するものと推薦者は強く推薦する。

2.受賞団体の実践概要

「光生舎ゆいま~る・もみじ台」の実践概要は、以下のとおりである。

平成24年11月 「光生舎ゆいま~る・もみじ台」を開設。
 ・地域交流…既存施設(小学校跡地)の校舎、体育館等を活用し、喫茶点、デイサービス、カラオケ、体育館、地域開放スペースを運営。
   →地域活動の拠点として定着
 ・介護予防(体操)教室(包括と介護予防センターと連携:月1回)
 ・地域交流運営協議会の開催
 ・地域の院ベントへの参加(もみじの大広間、もみ人ふれあい祭り)
 ・地域美化活動、ゆいま~る夏祭りの開催
 ・北海道内初の取りくみとして、の就労継続支援A型と特別養護老人ホームの融合。
 ・就労継続支援B型と特別養護老人ホームの連携
 ・『喫茶く・る・る』の地域交流

令和2年 北海道光生舎地域貢献推進委員会、札幌圏地域貢献推進委員会、ゆいま~る地域貢献推進チーム発足
 ・法人全体としては、北海道赤平市にて『地域食堂』の取り組みを展開
 ・『ゆいま~る雪かき隊』を結成

【法人概要】
 ・昭和31年 北海道光生舎 創業
 ・従業員 690名(令和3年4月1日)
 ・正社員 400名(令和3年4月1日)
 ・事業所 24か所(赤平市・歌志内市・札幌市)
 ・利用者 1,006名(令和3年5月31日)