第3回北海道地域福祉学会優秀実践賞 授賞団体

 このたび第3回北海道地域福祉学会優秀実践賞の団体が決定しましたのでお知らせします。本事業は、北海道内の地域福祉に関する優秀な実践を顕彰し、地域福祉にかかわる優れた実践を掘り起こすとともに、北海道の地域福祉の一層の発展と向上に寄与することを目的に実施するものです。
 以下に受賞団体の活動概要と推薦内容のまとめを紹介致します。次年度以降も多くの推薦が寄せられることを期待しています。

                     2020年9月30日
北海道地域福祉学会 会長

特定非営利活動法人きょう・ここ

法人設立    2018年7月26日(2019年1月28日認証)
理事長     多田 雅典 氏
住 所     北海道虻田郡京極町字京極223番地

社会福祉法人京極町社会福祉協議会

法人設立    1992年9月10日
会 長     柳原  保 氏
住 所     虻田郡京極町三崎68番地
ホームページ  https://www.kyougoku-shakyo.or.jp

1.受賞団体の実践概要

2014年12月:「未来へつなぐ夢基金」設置。社協職員を含む委員会を設置し、度重なる検討を重ね、共生型地域福祉拠点の開設を社協理事会に提案し了承される。
2016年3月:町内に108坪の土地・建物を購入。委員会は改修・運営委員会に改め、以後、本拠点の機能・役割について検討を重ねるとともに、住民に対する説明会を重ねた。同年10月:共生型地域福祉拠点設置事業(国庫補助)を受け改装。工事完了までに生活支援サービスの担い手研修会等を開催。
2017年2月:内装工事が完了し、プレオープンイベントを実施
2017年4月:社協が主体となり運用を開始。施設利用調整のための会議「住民作戦会議」の開催、道補助事業を活用した生活支援サービスの担い手育成及びNPO法人の設立に向けた学習会を開催。
2018年3月末:年度内施設利用者が人口を大幅に超え4,585名となる。
2018年4月:NPO法人の設立に向けた準備会が設立。同年7月に設立総会を開催し、翌年2月にNPO法人認証を受ける。
2019年3月末:年度内施設利用者は2年連続で人口を上回り3,867名。この年から開始した生活支援サービスの担い手は22名、稼働は16回となる。
2019年4月:生活支援体制整備事業協議体(支え合い本部)に理事が参画。介護保険事業との連動性が強化される。同年11月:全国社会福祉協議会から表彰を受ける。
2020年3月末:同年度は他市町村からの視察受け入れが増加(年間7回)。新型コロナウイルスの影響を受けたが、施設利用者は2,747名。生活支援サービスの担い手は31名に増加、稼働は13回となる。
2020年4月以降:新型コロナウイルス対策として、町民に1,000枚の手作りマスク作成と配布を行う。

2.推薦内容

【先駆性】京極町社会福祉協議会が2014年に住民からの寄付を受け創設した「未来をつなぐ夢基金」は、社協組織内外の多様な町民との検討により、2016年に空家と土地を購入するに至り、同年行政との連携により共生型地域福祉拠点設置事業(国庫補助)を受け、京極町地域福祉拠点「Kyo-coco」の開設に至った。

【独創性】同拠点の運営管理並びに、住民参加による新たな生活支援事業の展開を行うため、2017年には生活支援サービス充実支援事業(道補助事業)を受け、生活支援サービスの担い手育成やNPO創設に向けた学習会を開催。【主体性】その結果、2018年には「NPO法人きょう・ここ」が誕生したほか、老人クラブ内にボランティア部会が設置されるなど、行政や社協と独立した住民相互の生活支援に発展した。

【発展性】京極町社会福祉協議会による寄付財源を用いた社会福祉事業の展開は、社会福祉法人の本来の役割を果たしており、更に多様な住民を主体化した組織化活動は地域福祉の模範となっている。また、社協や行政からの独立性を尊重し、NPO法人の設置までを支援したこと、介護保険事業を始め、各種の福祉サービスとの連動性を担保した生活支援サービスの開発に至ったことは、他市町村の模範となっており、現に視察の受け入れが多いことがそれを示している。2020年度からは地域力強化推進事業(国庫補助)を受け、共生社会の実現に向けた更なる事業推進を行っている。 こうした一連の地域福祉事業の展開は、2019年度全国社会福祉大会において、全国社会福祉協議会からも表彰を受けるなど、全国的な模範ともなっており、北海道内の優秀実践に値するものであるため推薦を行うものである。